「何もない贅沢」湯宿さか本|半身不随の主人・坂本新一郎が50年守り続ける“普通という美学”

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何もない贅沢を生きる宿──「湯宿さか本」

石川県珠洲市の静かな里山にひっそりと佇む「湯宿さか本」。
この宿を50年にわたって守り続けるのは、主人・坂本新一郎さん
彼は17歳のとき、体操の事故で首の骨を折り、半身不随となりました。

しかし、その運命を嘆くことなく、彼は“普通を美しく生きる”という人生哲学のもと、この宿を唯一無二の空間へと育て上げてきました。


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50年の宿の歩みと「普通を極める」哲学

「湯宿さか本」は、もともと湯治場として70年前に坂本さんの両親が購入した場所。
その後、坂本さんが引き継ぎ、現在の“静寂と自然の宿”へと生まれ変わりました。

坂本さんが掲げる信条は、

「特別華やかなことじゃなくて、普通のことをしっかりとやる」

この言葉こそ、湯宿さか本のすべてを表しています。


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華やかさを拒む宿──テレビもWi-Fiもない空間

この宿には、テレビも電話もエアコンもありません。
夏は風が通り抜け、冬は薪ストーブの火が部屋を包みます。

「ここは“自分の家に帰ってきた”ように過ごしてほしい。」

過剰なサービスはせず、客と宿主の間にあるのは「自然体の交流」。
その静けさこそが、多くの旅人を惹きつける理由です。


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「特別ではなく、特別な普通の料理」を

一般的な宿は「晴れの日の料理」を出しますが、
湯宿さか本で出されるのは、**“日常の延長にある特別な普通”**です。

坂本さんが自ら考え、地元の旬の素材を使った和食。
それは華やかな料理ではありません。
しかし、今では家庭の食卓からも忘れられつつある“本来の日本の味”がそこにあります。

「自分が食べたいと思う、普通の料理を出したい」

この一言に、坂本さんの料理哲学と人生観が詰まっています。


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拒絶からの再生──“障害者は無理”と言われた日

20歳のとき、坂本さんは修行のために有名料理店へ弟子入りを志願しました。
しかし、返ってきた言葉は冷たく、

「障害者は無理です」

それでも彼はあきらめませんでした。
その姿を見た都ホテルのグランシェフが声をかけ、

「やる気があるならやってみろ」
と背中を押したのです。

彼はその師から、「料理に対する姿勢」と「人としての誇り」を学びました。

そして今もなお、

「あんたがいないとだめだ」と言われる存在でありたい
という願いを胸に、宿を続けています。


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まとめ:「何もしない」ことが、最高の贅沢になる場所

「湯宿さか本」は、ただの宿ではありません。
それは、**“生き方の美学”**を体験できる空間です。

便利さを削ぎ落とし、自然と共に生きる。
坂本新一郎さんは、自らの人生を通して「静けさの中にある豊かさ」を教えてくれます。

ここには、何もない。
だからこそ、本当に大切なものが見えてくる。


🌐 公式サイトhttps://www.yuyado-sakamoto.com
📍 所在地:〒927-1216 石川県珠洲市上戸町寺社15−47
📞 予約方法:電話予約のみ(1月・2月は休業)

 

 

 

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